① 冬に両方買って、結局どっちも中途半端に余った
手が荒れた冬に、ドラッグストアでハンドクリームとワセリンを両方カゴに入れたことがある。ワセリンのほうが安いし、皮膚科でも使われていると聞いた。なら効くほうを使えばいいだろう、くらいの気持ちだった。
結果はどうだったかというと、どちらも中途半端に残った。ワセリンは朝塗ると手がぬるぬるしてスマホが反応しにくい。ハンドクリームは仕事中に何度も塗り直すことになる。どっちが正解なのかが最後まで分からないまま、両方が引き出しに残った。
先に結論から書くと、この2つは比べるものではない。やっている仕事が違う。だから「どっちを使うか」ではなく「いつどっちを使うか」で決まる。
② 違いを一覧にすると
| ワセリン | ハンドクリーム | |
|---|---|---|
| やっていること | 表面に油膜を作ってフタをする | 水分と保湿成分を与える |
| 肌に入るか | 入らない(表面にとどまる) | 製品によって浸透設計がある |
| 成分の数 | 基本1つ(ワセリンのみ) | 尿素・セラミド・ヒアルロン酸など |
| ベタつき | 強い | 製品による(さらっと系もある) |
| 香り | 無香料 | 無香料〜香りありまで幅広い |
| 仕事中の使いやすさ | 低い | 選べば高い |
| 向いている時間帯 | 夜・就寝前 | 日中 |
この表の1行目だけ覚えておけば、あとは自然に決まる。ワセリンはフタ、ハンドクリームは中身。フタだけしても中に入れるものがなければ意味が薄いし、中身を入れてもフタをしなければ抜けていく。
③ ワセリンがやっているのは「フタ」だけ
ここは自分の感想ではなくメーカーの説明を確認しておきたい。ベビーワセリンや白色ワセリンを作っている健栄製薬の医師監修コラムでは、ワセリンについてこう説明されている。
肌に塗ると表面に薄い油膜が作られ、その油膜が肌を覆うことで水分の蒸発を防いで潤いを保持する。そしてワセリンそのものに薬効成分はなく、ワセリン自体が肌内部に浸透することもない、と明記されている。
つまりワセリンは、肌に何かを足しているわけではない。今ある水分を逃がさないようにしているだけ。逆にいうと、水分が足りていない状態の手にワセリンだけ塗っても、乾いた状態にフタをすることになる。
同じコラムでは、保湿ケアに使う場合はまず水分をしっかり補った上で、スキンケアの最後にワセリンを塗るように案内されている。順番が指定されている、というのがこの記事で一番大事なところ。
出典:健栄製薬「【医師監修】保湿力抜群のワセリンとは? 肌の保湿のメカニズムとケアの方法について」
④ だから併用するなら、順番は一方向に決まる
ハンドクリームが先、ワセリンが後。これが逆になることはない。
ハンドクリームで水分と保湿成分を入れて、その上からワセリンでフタをする。手が荒れて夜だけ集中的にケアしたいときは、この順番で塗って綿の手袋をして寝ると翌朝の状態が違う。
先にワセリンを塗ってしまうと、その上からハンドクリームを塗っても油膜に乗るだけになる。手間が増えるわりに得るものが少ない。
混ぜるのはやめておいたほうがいい
「ワセリンとハンドクリームを混ぜる」という使い方を見かけるけれど、個人的には勧めない。理由は2つある。
1つは、製品はその配合で完成しているものなので、別のものを足した時点でメーカーが想定していない状態になること。もう1つは、容器に取り分けて混ぜると雑菌が入りやすく、作り置きすると衛生的に不安が残ること。
混ぜて1つにする理由は「手間を減らしたい」だと思うけれど、それなら重ねて塗る夜だけに絞るほうが早い。
⑤ 日中の仕事中は、ワセリン単体は向かない
ワセリンは油膜を作るのが仕事なので、当然ながらベタつく。そして仕事中の手は、思っている以上にいろいろなものに触る。
- スマホの画面が反応しにくくなる、指紋の跡が残る
- 紙の資料や名刺に触ると、油が移って跡になる
- キーボードやマウスがぬるつく
- 握手や書類の受け渡しで相手に伝わる
名刺を渡した相手の指に油が付くのは、乾燥した手を見られるのとは別の意味で気まずい。日中はさらっとしたハンドクリーム、夜はワセリンでフタ、という分け方に落ち着いた。
仕事中に使えるハンドクリームの条件については、こちらにまとめている → 仕事中にベタつかないハンドクリームの条件は3つだけ【30代男性向け】
⑥ 逆に、ワセリンのほうが向いている場面
ハンドクリームのほうが上、という話ではない。ワセリンが向いている場面もはっきりしている。
- 就寝前の集中ケア:日中の見た目を気にしなくていいので、ベタつきが弱点にならない
- 成分の刺激が気になるとき:ワセリンは基本1成分で、香料や有効成分が入っていない
- 手以外にも使いたいとき:唇やかかとなど、部位をまたいで1つで済ませられる
- コスパを重視するとき:容量あたりの価格は圧倒的に安い
- 出張や旅行の荷物を減らしたいとき:1つで手・唇・かかとを兼用できる。ただし飛行機に持ち込むなら液体物の容量ルールは別途確認しておいたほうがいい
ただし、ぱっくり割れて痛みが出ているような状態は、保湿でどうにかする段階を超えていることがある。そこまでいったら皮膚科で診てもらったほうが早い。
出張・旅行での機内持ち込みルールは、こちらにまとめている。
→ ハンドクリームは飛行機に持ち込める?国内線・国際線の機内持ち込みルール
⑦ ベビーワセリンでも同じ?「ワセリン配合」はどっち扱い?
ベビーワセリンとの違い
役割は同じ。赤ちゃん向けという名前が付いているだけで、大人が手に使っても構わない。精製度が高く低刺激に作られているぶん、肌が弱い人が選びやすい、という位置づけになる。チューブ入りで持ち運びやすいのも扱いやすい。
「ワセリン配合」と書かれたハンドクリーム
これはハンドクリーム側。ワセリンを成分の1つとして含んでいるだけで、中身はハンドクリームとして設計されている。フタの成分が最初から入っている、と考えるとちょうどいい。
1本で済ませたい人には都合がいい選択肢になる。夜だけワセリンを重ねる手間も省ける。
\日中用の1本を決めるなら/
ワセリンは油膜でフタをする役割なので、日中は手が滑って仕事の邪魔になります。日中用に分けるなら、逆方向の設計、つまりオイルフリーのものが噛み合います。ZIGENのアクアハンドジェルは無香料・オイルフリー・ノンシリコンのジェルで、公式表記は「塗った後すぐに、スマホ・パソコン・書類を触れます」。50gで2,970円(税込)。
※価格・キャンペーン内容は変更される場合があります。購入前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
⑧ まとめ(比べるのをやめると迷わなくなる)
- ワセリンはフタ、ハンドクリームは中身。役割が違うので優劣はない
- ワセリンは肌に浸透せず、薬効成分もない。今ある水分を逃がさないためのもの
- 併用するならハンドクリームが先、ワセリンが後。逆順は意味が薄い
- 混ぜるのは勧めない。重ねて塗るほうが早くて衛生的
- 日中の仕事中はハンドクリーム、夜はワセリンで分けると噛み合う
- 「ワセリン配合」のハンドクリームはハンドクリーム側。1本で済ませたい人向け
結局のところ、引き出しに両方残ったのは選び方を間違えたからではなく、同じ用途で比べていたからだった。日中用と夜用と考え直したら、どちらも普通に減るようになった。
日中に持ち歩く1本をどれにするかは、こちらにまとめている → 結局どれ?仕事用ハンドクリームはこれ1本でいい【30代男性向け】
ちなみに、古いハンドクリームやワセリンをそのまま使っていいのか気になる人は、こちらも参考になる → ハンドクリームの使用期限は?書いてない理由と何年前まで使えるかの目安【30代男性向け】
日中に使うハンドクリームを1本決めるなら、こちらで比較しています。
→ NULL・ZIGEN・ハンドピュレナの違いは?メンズハンドクリーム3本を区分と価格で選び分ける


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